2005年2月発行 No.69


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●暮れもおしつまった頃、ある冊子が送られてきた。

静岡県高等学校しょうがい児学校ユニオン発行の『子どもを守るための原子力避難マニュアル』。
教職員の方々が作った日本初の原子力防災マニュアルではないだろうか?
「子どもを守るため」の文字が目をひく。

第T編「原子力事故から身を守る方法」、第U編「基礎知識編」から成る。

裏表紙に、事故を知った時にまず始めにすることとして「まわりの人に事故のニュースを知らせる」が
上げられている。99年9月30日のJCO臨界事故の際、多くの子どもたちや市民が事故のあったことを
知らされずに「無防備な状態に置かれていた」ことからの教訓である。                  

●子どもを守ろうという強い責任感からであろう「原子力事故が起きたとき何の対策もとらないで
いると、教職員は被害者であると共に、子どもに対しては「加害者」になる可能性があります。」
の一文は、胸にせまる。

●このマニュアルの最大の特徴は学校での対策を細かく示しているところにある。

体育館は壁や屋根が薄いため避難する場所としては、適当ではない』ことや                
教室に避難した場合の「窓の目張り」「一緒に音楽を聴いたり、ゲームをしたりして(子どもの)      
気持ちを和ませます。」「保護者が迎えにきたときは、避難場所などを確認して子どもを引渡します」等々、
学校の現場にいる者ならではの内容となっている。              

●しかし静岡県の原子力防災計画では浜岡原発10q圏内にしか事故の連絡は行わず、      
そんな条件の中で子どもを守ろうとする困難さはJCO臨界事故から5年経った今でも何ら変わりがない。
その上東海地震の懸念とスマトラ沖大津波を目の当たりにしてしまった今、今日にでも原発を止めたい。止めても足りない

●どんな状況の中でも子ども達と自分達を守るために決してあきらめない おとなであることは楽ではない。(05.2.12伏屋)                           

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